特別純米酒「すすきの美人」レポート

開発のあゆみ【7】　2011年03月
雪中貯蔵掘出し 2011

3月29日、美瑛「四季彩の丘」は春を思わせる陽気だった。すすきの美人タンク掘出しは、晴天の中行われた。雪は昨年よりも軽く、思ったよりも早い段階でタンクは雪から顔を出した。今か今かと待ちわびたタンクの蓋を開ける瞬間を、我々も高砂酒造(株)の方々も息をのんで見守った。待った長さは気持ちの高陽と比例する。100日分の高まった気分で順番にテイスティングしていく。昨年の原酒よりもフルーティーで、甘みと酸味が引立て合っていた。雪の中で眠ったすすきの美人も、じっくり寝て今日のこの日を待っていたことだろう。「美味しくなったよ」と言っているようにも思えた。米は雪の力でゆっくりと糖化し、この味が生まれたのだ。森本杜氏は、「これから加水し、どんな味に仕上がっていくか、力不足ではあるが旨い酒を造る」と謙遜しながらも笑顔には自信も見えた。我々は、次の仕上がりを楽しみにすすきの美人の成長を見守ることとし、札幌へ帰った。 名久井　俊男

 

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