開発のあゆみ【2】 雪中貯蔵 2009年12月
仕込状態の確認を経て、雪中貯蔵のタイミングとなった。
雪中貯蔵とは、酒のタンクを雪の中に埋めて熟成貯蔵する方法で、外気温に左右されず、タンク内の酒を±0度に保つ。空気対流も抑えられ、熟成を安定させることができる。それによって酒は角がとれ、まろやかで深みのある味、華やかな香りになる。そして旬を保つため、年4回に分けて瓶詰めする。
美瑛にある、四季彩の丘にて「すすきの美人」タンクを雪中貯蔵してきた。360度パノラマの銀世界の中、100日眠る。大変な作業ではあったが、100日後の再会の待ち遠しさもひとしおだ。大自然に育まれた雪国ならではの、雪がもたらす神秘の味を想って。
名久井 俊男